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旧伏見城の門 (平成13年 修復を終えて)

雀「おい山門、立派になったなぁ。」
門「ああ、お陰さまで。やっとひびの入ってた脚が治って、ふんばれるよう
   になったよ。」
雀「よかったなぁ。その脚だが、先日大工さんがえろう感心してたよ。」
門「うん、桧(ひのき)かと思ったらすごい松だったってね。」
雀「そう、細かい1㍉幅の美しい年輪で、市場にはめったに出て来ない
  代物(しろもの)やそうな。」
門「だから住職がこの廃材で香炉か棗(なつめ)を造ろうかなって。」
雀「それはいい、銘『伏見』だな。それにしてもこんなすばらしい材木を
  使って、誰が建てたんだろう。」
門「秀吉か、秀吉に命じられた大名が威信をかけて造ったものだろうな。」
雀「ええかげんな伏見城の裏門かと思うていたがさにあらず、さぞや名の
  ある処で、馬上の武将や家来を見下ろしていたんだろうなぁ。」

 

 

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